臼杵の城下町(春光園)の旅

臼杵城址と二王座歴史の道

 キリシタン大名として有名な大友宗麟の居城だったため、石垣にはアルファベットの様な文字が刻まれ、城内には礼拝所が、城下にはキリシタンの修練所があったそうです。築城当時は丹生嶋と呼ばれる孤島上の城郭で、周囲の海が天然の要害となり、堅固な守りを誇っていました。
 臼杵城から南西に位置している二王座地区にある「二王座歴史の道」は、現在でも城下町の景観を色濃く残している町並みで国の都市景観100選に選ばれています。凝灰岩を切り開いて通した「切り通し」と呼ばれる道が迷路のように構成されており、その中に様々な宗派の寺院、武家屋敷が集まっています。

料亭旅館「春光園」母屋と名庭園

 臼杵藩の家老の武家屋敷跡を料亭・旅館として利用していて、名園と豊後水道で獲れた新鮮な魚介料理が自慢の宿です。ロビーは和モダンな感じで、木の根のオブジェや蹲が心を和ませてくれました。茶室と中庭の見学を申し入れたところ、仲居さんが案内を買って出てくれました。茶室から眺める小堀遠州が作庭したと言い伝えがある中庭は、白濁した池と手入れの行き届いた松と庭石が見事に調和していて、息をのむような美しさでした。

「春光園」オコゼ尽くしの夕食

 夕食は料亭棟の個室で頂きました。瀟洒な床の間には女将さんが生けた生け花や、小粋な掛け軸が設えられ、しっとりとした雰囲気を醸し出しています。テーブルには既に前菜5種盛りが配膳されていました。前菜の涼しげな盛り付けに、これからの晩餐に対する期待が膨らみます。和服をキリリと着こなした仲居さんが次に運んでくれたのは、オコゼの薄造りの大皿です。オコゼの各部位が盛り付けられたた有田焼の大皿を見た途端、その美しさに二人とも思わず感嘆の声をあげてしまいました。これらの薄造りを橙ベースのポン酢で頂く趣向が大いに気に入り、思わず大好きな冷酒を注文してしまいました。お品書きはありませんでしたが、仲居さんは食材や調理方法にも造詣が深く、一皿ごとに詳しい説明をしてくれて、美味しい料理を引き立ててくれました。オコゼの赤出汁仕立ての次に供された、「オコゼのから揚げ」は、珍しい海老塩との相性が抜群でした。「オコゼと夏野菜の炊き合わせ」は、濃厚な煮汁とさっぱりしたオコゼの魚肉の組み合わせが絶妙で、〆の一皿に相応しい逸品でした。

「春光園」名物の定番朝食

 朝食を頂くため通路の角々に立てられた案内看板を頼りに行きついた部屋は、なんと昨日拝見した名庭園を正面から眺めることができる大広間でした。二人だけの為に設えられたテーブル席には、この宿で28年間守られている評判の定番メニューが並んでいます。なかでも、臼杵の郷土料理「りゅうきゅう」は、新鮮な青魚をづけにしたもので、コリコリした食感が後を引きます。大分名産カボスを絞りかけて頂く「クロメのお粥」は優しい味付けで、いつもは小食の私でもペロリと平らげてしまうほど秀逸でした。朝食のあと、広縁から改めて中庭をじっくり観賞させていただいて、満ち足りた気分で大広間をあとにしました。

国宝 臼杵石仏群へお詣り

古園石仏大日如来像に代表される臼杵石仏(磨崖仏)は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたと言われています。その規模と数量、また彫刻の質の高さにおいて、日本を代表する石仏群であり、平成7年には磨崖仏では全国初、彫刻としても九州で初めて国宝に指定されました。石仏群は4群に分かれ、地名によって、ホキ石仏第1群(堂ヶ迫石仏)、同第2群、山王山石仏、古園石仏と名づけられました。それぞれに、傑作秀作ぞろいであり、悠久の時を見つめる表情豊かな御仏の姿は、私たちの心にやすらぎをあたえてくれました。

 もともと料亭だったところを、お客さんの要望で宿泊施設を併設したという、仲居さんのお話が頷ける、素敵な料亭旅館です。今回は季節限定のオコゼプランを選びましたが、フグや豊後水道の魚介類を堪能できるプランもあります。お魚好きの方々に自信をもってお薦めできるお宿です。

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