湯布院の旅 「おやど 二本の葦束」

二本の葦束

おやど 二本の葦束 「母屋と共用部」

 「葦の葉は一本では立たない。けれど何本も何百本も何千本も束なれば、それは丈夫な礎ともなる。」というコンセプトのお宿です。新緑に覆われた小径を進むと、重厚な古民家の母屋に導かれました。広々としたロビーには、随所に優れた美術品の数々がそれとなく配置され、グレゴリオ聖歌のBGMと相まって、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。ロビーの一角のテーブルで記帳を済ませたあと、ウエルカムプレートが供されました。プレートにはハーブティや野菜のピクルス等5品が美しく盛られていて、この宿のおもてなしに期待が膨らむ一品でした。

おやど 二本の葦束 「宿泊棟 烏兎庵」

 今回の宿泊棟は「烏兎庵」と名付けられた90平米の、この宿では比較的モダンな離れです。すっきりしたデザインの玄関を入るとまず目に飛び込むのが広い土間と、それに面した和室の格子戸の調和の美しさです。和室は16畳ほどの広さで一方には格式ある床の間が、もう一方にはモルタルのシックな壁が照明で美しく浮かび上がって、なんとも幻想的な空間を作りだしています。レトロなガラス戸越しに中庭を観ながら廊下を奥に進むと、12畳ほどの寝室があります。 ローベッドの枕元の壁は全面ウッドパネルになっていて、間接照明と相まって柔らかな雰囲気を醸し出しています。内風呂は檜製で畳1枚ほどの広さがあり、二人で入っても充分すぎるほどです。源泉掛け流しですが、何時湯あみしても一定の湯温に保たれていて快適でした。

おやど 二本の葦束 「貸切風呂巡り」

 この宿の最大の売りは、なんといっても全て貸切で使える湯巡りです。「昭和の湯どころ」は長屋形式で趣の違う6か所から選べます。入口の沓脱に履物が無ければ入浴可能だという仕組みになっています。「竹林風呂」は宿の敷地の一番奥まった少々坂道を登った小高い処にあり、脱衣所の手前の看板が「入浴中」でなければ、竹林を眺めながらの入浴が楽しめます。大浴場だけは、フロントに連絡して予約が必要です。一番人気なだけに出来ればチェックイン直後の予約がお勧めです。私たちは朝の散策を兼ねて敷地奥の高台へ向かいました。ゆうに4・50人は入れそうな広大な浴槽を二人占めにし、朝日の木洩れ日を浴びながら、遠くに由布岳を眺め爽快な気分を充分に味あう事が出来ました。

おやど 二本の葦束 「馳走庵で夕食」

 夕食は「馳走庵」の個室で頂きます。馳走庵に着くとすぐにスタッフに酒蔵に案内されます。酒蔵の約40種類の自家製果実酒の中から好きなものを選んで、食前酒として供される仕組みです。席につくと既に前菜など3品が配膳されていましたが、後の8品ほどの創作会席は私たちのペースを配慮して頂きながら、程よいタイミングで供されました。板長さんは特に野菜料理に力を入れているという事で、確かにローストビーフサラダの野菜類のシャキシャキ感や、野菜特有の甘さを引き出している腕前に感服しました。スタッフは配膳のたび毎に食材や調理法、時には食材の入手方法など事細かに説明してくれて、料理の美味しさを引き立ててくれました。

おやど 二本の葦束 「朝の散歩と朝食」

 翌朝広大な敷地を散策してみました。時節柄新緑が美しいのは言うまでもありませんが、オーナー女将の自然を大切にして、一本の樹も切りたくない、という信念が充分に生かされていて、坂道のあちこちに咲き誇る野の花の美しさにも心癒されました。朝食も馳走庵の個室で頂きました。大皿に美しく盛られた12品のおばんざいや、甘くてシャキシャキのサラダが食欲をそそります。特に粒立ちの良いご飯に、ピクルスに近い香の物の相性が秀逸でした。

<せんてr>

 きめ細やかなのに程よい距離を保ったおもてなしは、この宿のキャッチコピー「宿とは人が創り、人を生む」をスタッフ全員が体現している事を痛感しなした。大小さまざまな離れで過ごす非日常的な時間は、二人だけのおこもりから家族でワイワイ過ごすお泊りまで、幅広い層にお薦めです。お見送りの詞「行ってらっしゃい」を聴くと、「ただいま」といって、また訪れたい宿になりました。

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