平山温泉の旅 離れ「桜香」

離れ桜香

古墳群を訪ねる

宿に向かう途中で今回の観光の目的の、いずれも国指定史跡の二つの古墳群を訪ねました。

石貫ナギノ古墳群

 玉名市の繁根木川右岸には、灰石と呼ばれる阿蘇溶結凝灰岩の崖面が多くあり、その崖面250メートルほどの範囲にわたって横穴墓が造られています。これらは古墳時代後半に造られた墓地で、遺体を置く部分(屍床)が多いもので一つの横穴墓につき3ヶ所設けられていました。なんとこの地で野生の猪さんにも遭遇しました。

鍋田横穴群

 山鹿市の菊池川の支流の岩野川にかかる鍋田橋の袂と、岩野川西岸の阿蘇溶岩の断崖(国道443号線沿い)に見えるたくさんの横穴を鍋田横穴群と呼んでおり、古墳時代後期(今から約1,400年前)に作られた群集墓です。

離れ「桜香」 共用部

 熊本や山鹿の奥座敷といわれる平山温泉のそのまた奥まった小高い山の上に、5棟の離れが佇む宿です。母屋はシンプルでこざっぱりした造りで、一角には可愛い椅子とテーブルが並んでいます。ここで冷たい緑茶と山鹿羊羹を頂いて一息ついた後、記帳をしました。記帳のあと夕食や朝食の時間を決めて、離れの宿泊棟へ案内していただきました。離れ「虹」では、スタッフが室内の設備や露天風呂の使い方などを、懇切丁寧に説明してくれました。

離れ「桜香」 宿泊棟「虹」

 この宿には40平米強の全く同じ造りの5棟の離れがあります。充分に離隔距離をとった一戸建てなので、プライバシーは完ぺきに守られています。客室はワンルーム形式のの洋室です。ブラウンのフローリングと純白のクロスが見事に調和して、全体的にシンプルですっきりしたデザインです。

 ライトグレーのアクセントクロスが張られた一角はベッドスペースになっていて、幅広のセミダブルベッドが設えてあります。マットレスは適度な硬さで、選べる2種類の枕と相まって、充分な休息をとることができました。

 露天風呂は二人で入っても余裕の大きさの石風呂です。平山温泉ご自慢の美肌の湯を一晩中かけ流しで満喫することができました。アルカリ性単純硫黄泉はトロトロで、湯上り後もしっとり感が残ります。浴槽全体が屋根で覆われ、荒天の日にも湯あみが楽しめますし、一面は解放されていて、山鹿の田園風景を眺めながらの湯あみも一興です。

離れ 「桜香」 夕食

 夕食は母屋横のレストラン棟の半個室で頂きます。テーブル席に着くと、切り株状のプレートに美しく盛られた前菜が配膳されていて、その美しさに、これから始まる晩餐への期待が膨らみます。地元産を中心にした食材に、優しい味付けが施された品々が、絶妙なタイミングでサーブされます。女性のスタッフは一皿ごとに、食材や調理法などを丁重に説明してくれて、料理の味を引き立ててくれました。全9皿の創作懐石は、どれをとっても甲乙がつけ難い秀作に思えました。中でも熊本名産辛子蓮根を一旦つぶして団子状にした天ぷらを、麻辛ソースで頂く経験したことのない食感が気にいりました。天然の水晶プレートで焼いて頂く熊本県産和牛は、ジューシーで甘みがあり、メインメニューに相応しい逸品でした。

離れ 「桜香」 朝食

 朝食も昨夜と同じレストラン棟の半個室で頂きました。仕切りプレートに盛られた、体に優しそうな品々はどれもおいしそうで、どれから箸をつけるか迷ってしまいました。特に懐かしい味付けのひじきの煮物や、程よい塩加減のサバの塩焼きなどが、食欲をそそりました。これらのおかずと土鍋炊きの粒立ちの良いごはんとの相性がよく、いつになくお代わりをしてしまいました。

離れ 「桜香」の公式ホームページ

 完全に独立した離れに滞在し、九州でも屈指の美肌の湯といわれる名湯を楽しみ、料理長の心の籠った懐石料理を堪能し、日ごろの疲れが吹き飛んでしまいました。どちらかというと、おこもり系の宿ですから、カップル旅行や女子旅に自信をもってお薦めできる宿です。

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