鹿島~太良~島原の旅(蟹御殿)

蟹御殿

祐徳稲荷神社

 この日の宿泊地太良に向かう途中、久し振りに祐徳稲荷神社に参詣しました。伏見稲荷と笠間稲荷とともに日本三大稲荷に数えられる神社。地元では「祐徳(ゆうとく)さん」の愛称で親しまれています。木々の緑に映える建物の鮮やかな朱色が印象的で、神殿、拝殿、楼門など主要建物は総漆塗り。石壁山を背後にして本殿がたち、山裾の広い境内には楼門、神楽殿が立っています。衣食住の祖神と仰がれ、五穀豊穣、商売繁盛、家運繁栄、大漁満足、交通安全などの守護神として信仰があつく、参詣者は年間300万人。

「蟹御殿」の共用部

「太良嶽温泉ホテル 蟹御殿」は、干満の差が日本一で6メートルある太良町の有明海に面した宿です。広々として解放感のあるロビーでは、堂々とした孟宗竹のオブジェが目を引きました。有明海が見渡せる一角のソファーで、琵琶紅茶やスイーツを頂きながら、記名だけの簡単な記帳を済ませ、今回宿泊する離れに向かいました。

「蟹御殿」 離れ「アジアンスィート」

今回予約したのは「アジアンスイート」と名付けられた、全体で60平方メートル程の離れです。「アジアンスイート」は全ての部屋の天井が純白のクロス張り、壁はライトグレーのモルタル打ちっぱなしで統一され、外壁の黒とのコントラストが素敵な空間を創り出しています。約12畳のフローリングのリビングには、アジアンテイストのソファーが設えられています。サイドボードにはオーナーの拘りを思わせる、CDコンポが良い音を聞かせてくれて、持ち込みのCDを聴きながら寛ぐ事が出来ました。ガゼボ付きの露天風呂は、どの部屋からも出入り可能な、ウッドデッキの真ん中にあります。湯船は檜で縁取りされた石風呂で、二人で湯あみしても十分な広さです。無色透明で肌触りが優しく、何度入っても飽きの来ない泉質でした。湧出量が少ない為、掛け流しではありませんが、温度調節が施され24時間適温で湯あみが楽しめます。

「蟹御殿」夕食

 夕食は本館2階の食事処の半個室で頂きました。前菜の次に配膳されたお造りは、地元で獲れた新鮮な魚介類の四種盛りで、特に有明海特産のタイラギの柱の食感に唸ってしまいました。サービスの一皿の焼き牡蠣のあと、お目当ての茹で竹崎蟹が供されました。ベテランの仲居さんが「今日入荷した蟹は少し小さいので2匹でお得ですよ」といいながら、手際よく食べやすい大きさに捌いてくれます。絶妙な塩加減が、渡り蟹特有のしっとりとした味を引き立てていて、ついつい無言になって夢中でむさぼってしまいました。その後内子がたっぷりの甲羅酒も充分に楽しみました。ゆったりしたタイミングで、コースの料理を運んでいただき、館内に流れるJAZZを聴きながら、至福の時間を過ごす事ができました。最後の一品は先ほどからテーブルで炊かれていた蟹釜飯で、県産の美味しいお米と蟹の出汁が良く効いた、〆に相応しい逸品でした。

「蟹御殿」 朝食と屋上露天風呂

 朝食も夕食と同じ食事処の半個室で頂きました。品数は多いほうではありませんが、佐賀県産のお米を南部鉄の釜で炊いた粒立ちの良いご飯と蟹味噌汁が相性抜群でした。更に有明海名産くちぞこ(舌平目)の一夜干しはお薦めの一品です。 

朝の清々しいオープンデッキから対岸の普賢岳を眺めた後、この宿自慢の展望露天風呂に行ってみました。7階にはお洒落な休憩室の奥の階段を上った屋上に露天風呂があります。4・5人は収容できるほどの湯船に浸ると、浴槽の縁と有明海の水辺が一体になって、まさに海の中で湯あみをしているような爽快な気分を味わいました。

「蟹御殿」の公式サイトはこちらから

島原の湧水群

 「蟹御殿」を後にして、島原まで足を延ばしました。島原市には50か所を超える湧水地があり、おいしい湧水を自由に汲める水汲み場が点在しています。その中でも新町一帯は湧き水が豊富な地区で、地面を50cmも掘ると湧き水が出てくるほどです。水路には150匹の錦鯉が泳いでおり明治時代に建てられた美しすぎる日本邸宅「四明荘」と併せ、多くの観光客で賑わっています。

 お稲荷さん詣で、ガザミをたらふく味わった「蟹御殿」、それに島原の湧水群をたっぷり味った、有意義な旅でした。

ビデオ編集工房 宙

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です